経営者のレジリエンスを高める方法とは?どんな困難にも負けない考え方とは

困難な状況に直面しても、レジリエンスが高ければ、逃げることなく粘り強く立ち向かうことができます。
経営者の方はどれだけ努力を重ねて、綿密に事業を進めていたとしても予期せぬ困難に直面することも多いです。
どんなに優れた経営者であっても事業に失敗はつきものなので、そこから立ち直る方法を知っておいたほうがずっと現実的な考え方として捉えられるでしょう。
そこで、今回の記事ではレジリエンスを高める方法や、レジリエンスが低いと起こることなどを中心に解説します。
- 失敗やトラブルが起きると気持ちが切り替えられず、判断が遅れがちな人
- 資金繰り・人材・クレーム対応など、プレッシャーが重なると冷静さを失うことがある人
- 一つの出来事を引きずり、悲観的になって事業の未来を描けなくなる人

経営者にとってのレジリエンスとは?

一般的な意味でのレジリエンスとは、困難な状況や逆境に直面したときに、しなやかに適応し、回復する力のことを指します。
経営者にとってのレジリエンスは、単なる精神的な強さではありません。
事業における失敗や市場の変化、資金繰りの問題、人間関係のトラブルなど、様々なストレスに対して、冷静さを保ち続け、的確な判断を下し続ける能力です。
レジリエンスが高い経営者の特徴

レジリエンスが高い経営者の特徴の一例は次のとおりです。
- 失敗を事実として受け止め、感情に支配されない
- プレッシャー下でも冷静に判断できる
- 複雑な問題を分解し次の一手を見出せる
それぞれ解説します。
失敗を事実として受け止め、感情に支配されない
レジリエンスの高い経営者は、失敗やトラブルが発生したときに、感情的にならず事実を冷静に受け止めます。
「なぜこうなったのか」という原因分析と、「次にどうするか」という思考に素早く切り替えられます。
ただ、感情に支配されないということは、感情を無視するということではありません。
自分が怒りや不安を感じていることを認識しながらも、それに引きずられず、客観的な判断を優先できるということです。
プレッシャー下でも冷静に判断できる
経営をしていると、資金繰りの危機、大口顧客の離脱、重要な商談の失敗など、大きなプレッシャーがかかる場面が頻繁に訪れますが、レジリエンスの高い経営者は、こうした状況下でも思考が停止せず、複数の選択肢を冷静に比較検討できます。
たとえば、大口顧客との契約が切れてしまった際に取れる選択肢としては、新規の営業を強化したり、既存のお客様からの要望を引き出し単価アップを目指すなどが考えられます。
この二択にしても売上が大きく下がっている状況下では、どちらに時間を割くか冷静な判断を下すには、比較検討が必要です。
このように厳しい状況下でも冷静に判断を下せることもレジリエンスが高いと判断できます。
複雑な問題を分解し次の一手を見出せる
レジリエンスの高い経営者は、経営の複雑な問題を小さな要素に分解し、優先順位をつけて、実行可能な「次の一手」を明確にする能力に優れています。
問題が大きすぎて手がつけられないと感じたとき、すべてを一度に解決しようとせず、まず何から手をつけるべきかを見極められることが、レジリエンスの表れです。
この考え方があると、どんなに困難な状況でも前進し続けることができます。
レジリエンスが低い経営者に起きる問題

レジリエンスが低い経営者に起きる問題の一例は次のとおりです。
- ミスやトラブルで判断が鈍り事業停滞を招く
- 悲観的になりビジョンを描けなくなる
- 孤独感が強まり意思決定が偏る
詳しく解説します。
ミスやトラブルで判断が鈍り事業停滞を招く
レジリエンスが低いと、小さなミスやトラブルが起きるたびに精神的なダメージを受け、判断力が鈍ります。
本来であれば冷静に対処できるはずの問題も、過度に深刻に受け止めてしまい、必要以上に時間を掛けたり、決断を先延ばしにしたりします。
その結果、事業のスピード感が失われ、競合に遅れを取ったり、チャンスを逃したりすることになります。
悲観的になりビジョンを描けなくなる
困難な状況が続くと、「もうダメかもしれない」「何をやってもうまくいかない」といったネガティブな思考が支配的になり、将来に対する希望やビジョンを描けなくなります。
経営者がビジョンを失い事業の方向性も見失うと、お客様に対する商品・サービスの提供も安定せず、信頼を失ってしまいかねません。
孤独感が強まり意思決定が偏る
レジリエンスが低いと、孤独感が強まり、周りが敵ばかりという認識を持ち、自分の弱さを見せたくないという思いから、周囲に相談できなくなります。
その結果、意思決定が主観的で偏りがあり、客観的な考え方ができなくなります。
その結果、ストレスを一人で抱え込むことで、精神的な健康を損ない、さらにレジリエンスが低下するという悪循環に陥ります。
経営者のレジリエンスを高める方法

経営者のレジリエンスを高める主な方法は次のとおりです。
- 柔軟性を持つ
- 小さな失敗を積み重ねておく
- 思考の癖を修正し事実で判断する
- 感情を客観視してブレない状態をつくる
一つずつ解説します。
柔軟性を持つ
計画通りに進まなかったときに、1つの方法にこだわらずに別の方法を試せる柔軟さが経営において重要です。
当初の計画が完璧に実行されることはほとんどなく、市場環境の変化、予想外の競合の動き、内部リソースの制約など、様々な要因で軌道修正が必要になります。
最悪の事態も想定しながら1つの課題に対して複数の選択肢を同時に検討する思考プロセスが、予期せぬ事態への対応力を高め、結果として柔軟な意思決定につながります。
小さな失敗を積み重ねておく
レジリエンスを高めるためには、小さな失敗をいくつも経験しておきましょう。
大きな失敗に直面したときに立ち直れるかどうかは、それまでに小さな失敗をどれだけ経験し、乗り越えてきたかに左右されます。
日常的に小さなリスクを取り、失敗しても致命的にならない範囲で挑戦を続けることが重要です。
新しい施策を試す、未経験の分野に挑戦する、難しい交渉に臨むなど、コンフォートゾーンを少しずつ広げる経験を積むことで、失敗に対する耐性が高まります。
思考の癖を修正し事実で判断する
自分自身が自己肯定感が低く、ネガティブな思考をする癖があれば、事実で判断するよう修正することもレジリエンスを高める方法です。
「すべてがうまくいかない」「自分には能力がない」「この状況は永遠に続く」といった極端な考え方は、レジリエンスを低下させます。
たとえば、「自分には能力がない」と考えがちなら、「たまたまこの分野では力が発揮できなかったから、もっと力をつける」と考えを改めると建設的な思考になります。

感情を客観視してブレない状態をつくる
感情に振り回されず、冷静な判断を保つためには、自分の感情を客観視することもレジリエンスを高めるために不可欠です。
というのも、客観視できるようになると感情の波に飲み込まれず、冷静な判断軸を保てるようになるからです。
たとえば、「今、怒っている」や「冷静な判断がしづらい」などの感情を認識できていれば、柔軟に対策方法も考えられます。
このように感情を一歩引いた視点から見られるようにすることも重要です。
経営者がレジリエンスを高めることで得られるメリット

経営者がレジリエンスを高めることで得られる代表的なメリットは次のとおりです。
- プレッシャー下でも判断の質が落ちなくなる
- 長期戦でもブレない経営軸を保てる
- 対立・交渉・危機管理に強くなる
それぞれ解説します。
プレッシャー下でも判断の質が落ちなくなる
レジリエンスが高まると、極度のストレスやプレッシャーがかかる状況でも、判断の質を維持できるようになります。
緊急時の意思決定、重要な交渉、危機的な資金繰りなど、経営者として最も能力が試される場面で、冷静さと明晰さを保てることは、事業の成否を分ける決定的な要因です。
判断の質が落ちないということは、感情的な反応ではなく、データと事実に基づいた合理的な選択ができるということです。
これにより、短期的な感情に流されず、長期的な事業の利益を最優先した決定を下せるようになります。
長期戦でもブレない経営軸を保てる
事業は短距離走ではなくマラソンです。
一時的な成功や失敗に一喜一憂せず、長期的なビジョンに基づいて着実に前進し続けるためには、レジリエンスが不可欠です。
レジリエンスの高い経営者は、短期的な逆風に見舞われても、長期的な方向性を見失いません。
市場の一時的な変動、競合の動き、内部の問題など、さまざまな外乱があっても、自社の強みと目指すべき方向性を見据え続けることができます。
この一貫性が、従業員や取引先、投資家からの信頼を生み、組織全体の推進力となります。

対立・交渉・危機管理に強くなる
経営者は、さまざまなステークホルダーとの対立や交渉、予期せぬ危機への対応を日常的に行います。
レジリエンスが高いと、こうした困難な状況でも感情的にならず、建設的な解決策を見出せます。
対立が生じたときに、相手を攻撃するのではなく、問題の本質を見極め、Win-Winの解決策を探る余裕が生まれます。
交渉においても、プレッシャーに屈して不利な条件を飲むのではなく、冷静に自社の利益を守りながら合意点を見つけられます。
また、危機が発生したときには、パニックに陥らず、迅速かつ適切な対応策を実行できるため、被害を最小限に抑えられます。
レジリエンスを高めないまま過ごすと起こること

レジリエンスを意識的に高めることなく経営を続けると、様々な問題が溜まっていきます。
特に問題なのは精神的・身体的な健康を損なうことです。
たとえば、些細な問題を気にしすぎてしまうと、ストレスが溜まり精神的な疲弊や体調不良、衝動的な行動(浪費など)につながりかねません。
健康状態を損なうと業務の継続が困難になるため、積極的なストレスマネジメントが不可欠です。
また、ストレスが溜まってしまう状態だと、判断の質が徐々に低下し、重要な局面で誤った決定を下すことも増えます。
レジリエンスによくある質問

レジリエンスは生まれつきの性格で決まるのですか?
いいえ、レジリエンスは生まれつき決まるものではなく、後天的に鍛えられる能力です。
考え方の癖や行動習慣を見直し、経験を積み重ねることで、誰でも高めることができます。
レジリエンスを高めるのにどのくらいの期間が必要ですか?
個人差はありますが、早ければ数週間〜数ヶ月で変化を感じる方もいます。
ただし、常に安定して対応できるレベルまで高めるには、継続的な実践が必要です。
半年〜1年以上の中長期的な取り組みが、より確かな効果につながります。
レジリエンスが高い人は弱音を吐かないのですか?
いいえ、レジリエンスが高い人も不安や弱さを感じます。
違いは、それらの感情を否定せずに受け止めたうえで、行動を止めない点にあります。
必要なときに助けを求められることも、レジリエンスの重要な要素です。
経営者として忙しい中、レジリエンスを高める時間をどう作ればいいですか?
特別に多くの時間を確保する必要はありません。
判断の振り返りや感情の整理、短時間の思考習慣など、1日10〜15分程度から始められます。
レジリエンスを高めることと、無理をして頑張ることの違いは何ですか?
レジリエンスは無理に耐え続ける力ではありません。
限界を超えて頑張り続けることは、むしろレジリエンスを低下させます。
経営者のレジリエンスを高める方法まとめ

レジリエンスを高めるためには、柔軟性を持つこと、小さな失敗を積み重ねること、思考の癖を修正すること、感情を客観視すること、そして小さな成功体験を積み上げることが有効です。
レジリエンスを高めることを疎かにすると、精神的健康を損ない、判断ミスを重ね、組織全体に悪影響を及ぼし、最悪の場合は事業の継続そのものが危うくなります。
ただ、レジリエンスを高めどんな困難な状況に直面しても柔軟に対応できる力が身についたのなら、新規事業や売上改善などにも意欲的に取り組めるはずです。
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