マーケティングを勉強していると、「一貫性の法則」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
同時に、一貫性の法則の意味や使い方を知りたいと考えている方も多いでしょう。
一貫性の法則は多くのマーケティング手法にも活用が可能で非常に効果的な心理トリガーです。
そこでこの記事では、一貫性の法則について意味や使い方までを具体的にお伝えしていきます。
- >>一貫性の法則(原理)とは何かを知りたい方
一貫性の法則(原理)とは言動に責任を持ちたいと思う心理へ - >>一貫性の法則を用いたマーケティングについて知りたい方
一貫性の法則を用いた3つのマーケティングテクニックへ - >>Webマーケティングでの一貫性の法則の使い方を知りたい方
一貫性の法則をWebマーケティングに活用する方法へ
目次(タップでジャンプ)
一貫性の法則(原理)とは言動に責任を持ちたいと思う心理
一貫性の法則(原理)とは、「自分の言動に責任を持ちたい」と思う、人の心理です。
「有言実行」という四字熟語もできていることから、昔から行動や発言に一貫性を持つことは社会的にも認められています。
実はこの「社会的」という言葉が私達人間を良くも悪くも縛っていることをご存知でしょうか?
一貫性の法則を知るために「社会的」という言葉の意味も含めて、一貫性の法則が発生する要因を確認しましょう。
一貫性の法則が発生する要因
一貫性の法則が発生する要因は次のとおりです。
- 一貫性は社会的に認められているものだから(社会性)
- 行動の選択肢を増やす必要がないから(簡易性)
それぞれ解説します。
一貫性は社会的に認められるものだから(社会性)
一貫性がある人は信用・信頼がおけるものですし、子どもの頃から自分の言動に嘘をつかないように教えられた方も多いはずです。
このように一貫性は人間として社会生活を営んでいく上で、大事なことだと教育を受けてきています。
教育を受けて、身体に染み付いた思考はすぐに変えられないので、発言と異なった行動を取る際には自分自身に多大なストレスが発生します。
そのため、一貫性を持つことは人にとってストレスを軽減する行動とも考えられます。
行動の選択肢を増やす必要がないから(簡易性)
ストレスを軽減するために一貫性を保つことは、行動の選択肢を増やさないという副次的な効果もあります。
たとえば、一貫性がない行動をすると次のように選択肢が増えてしまいます。
- 〇〇してと頼まれる
- あなたがYesと伝える(〇〇をするつもりがない)
- 〇〇はどうなったと聞かれる
- あなたは、しなかった理由もしくは言い訳を考えなければならない
このように、頼まれごとに「Yes」と答えたにもかかわらず、行動をしなければ、しなかった理由を考えなければいけません。
反対に「Yes」と答えたから、それに従って行動したのであれば、「できたよ」と報告するだけなので選択肢は1通りです。
このように一貫性を保つことは「選択肢を増やさない行動」にもつながります。
一貫性の法則を確認できる実験例・事例
一貫性の法則を確認できる実験例・事例を紹介します。
- クッキー実験
- ドミノ・ピザのアプリ内の例
それぞれ解説します。
クッキー実験
一貫性の法則を知るためにされた実験の中にクッキー実験があります。
- 飢餓に苦しむ人のためにチャリティーイベントとしてクッキーを買いませんかと電話口で伝える
- Aグループ→そのままの文言をいきなり伝える
- Bグループ→クッキーを買いませんかと伝える前に「ご機嫌いかがですか?」と伝え、相手の調子を伺い挨拶をする。9割ほどの人が好意的に挨拶を返してくれた。
- Aグループの購入率18%・Bグループの購入率32%となった
相手に「好意的に挨拶をした」ことで、善意の「チャリティーイベント」に協力しないのはケチだと思われてしまう。
「そうは思われたくない」という心理で、購入率がアップしたと考えられます。
今回の実験結果は返報性の法則とも共通点があるので、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
ドミノ・ピザのアプリ内の例
ドミノ・ピザのアプリ内ではピザやサイドメニューなどを購入すると、購入画面で「このような食べ物もおすすめです」と提案がされます。
アプリユーザーがピザを買うという行動をしたことで、「他の商品も買ってみてもいいかも」という一貫性を促します。
もちろんドミノ・ピザだけでなくUber EatsやAmazonなども同様の施策を行っていて、他のECサイトでも同様です。
このように一貫性の法則は「クロスセル」にもつながると考えておきましょう。
一貫性の法則を用いた3つのマーケティングテクニック
一貫性の法則を用いたマーケティングテクニックは以下のとおりです。
- フットインザドア
- ローボール
- アップセル・クロスセル
それぞれ解説します。
フットインザドア
一貫性の法則を用いたマーケティングテクニックの中に「フットインザドア」というテクニックがあります。
フットインザドアは、要求の難しい条件を始めから提示するのではなく、簡単な要求から行動をしてもらうテクニックです。
たとえば、個人のお客様にいきなり30万円の商品・サービスを提示しても、すぐに成約することはすくないはずです。
ただ次のようにすると一貫性の法則からいつの間にか成約に至っている可能性が高いです。
- まずは「お試し期間」を設けて使ってもらい効果を実感してもらう
- 次は「月額利用」1万円で継続利用してもらう要求をする
- 次に月額ではなく「買取(1回払い)」で30万の商品を購入してもらう
このように小さな要求から、効果を実感できたら次の段階へ進めていく方法もフットインザドアの一例です。
ローボール
ローボールテクニックとは、最初に相手の意識を引くような好条件を出し、相手の行動を促したあとに好条件部分を取り除いて販売するテクニックです。
良くない例として、「激安」「半額」などの強烈なオファーでユーザーに行動を促したあとに、その商品が品切れということを理由に、他の商品へ誘導する方法も該当します。
ユーザーはせっかく行動したのだから何かを買わないとという心理になります。
上記良くない例のような集客を行ってはいませんが、お客様の行動を促すには強力な方法です。
アップセル・クロスセル
アップセル・クロスセルも一貫性の法則を活用したマーケティングテクニックです。
具体的な内容は以下のとおり。
- アップセル→商品の価格を上げるテクニック
- クロスセル→他の商品とのあわせ買いを促すテクニック
クロスセルはドミノ・ピザのように購入時にあわせ買いを促し、アップセルはUber Eatsのように配達送料に課金することを促すテクニックです。
マーケティングでは良く活用されるテクニックなので覚えておきましょう。
一貫性の法則をWebマーケティングに活用する方法
一貫性の法則をWebマーケティングに活用する方法はいくつかあります。
- 肯定しやすい質問を提示する
- 診断系コンテンツを作成しておく
- お試し体験を成約前に挟む
それぞれ解説します。
肯定しやすい質問を提示する
ユーザーの行動を促す肯定しやすい質問を提示すると一貫性の法則が働きやすいです。
というのも、Yesと答えたあとにNoと提示するのは人にとってストレスが掛かるからです。
たとえば、ダイエット商品を販売したい場合には、次のような質問をしてみましょう。
- あなたは痩せたいですか?
- 痩せて魅力的なカラダにしたいですか?
- 効率よく痩せたいですか?
- 効率的に痩せるこの器具を欲しいですか?
このように段階的にユーザーのニーズを深掘りしつつも肯定しやすい質問(Yesと言いやすい質問)を用意しておきましょう。
「ダイエットしたい→Yes」「痩せて魅力的なカラダにしたいですか?→Yes」「効率よく痩せたいですか?→Yes」「効率的に痩せるこの器具を欲しいですか→Yes」
このように、Yesを繰り返すことで、Noと言いづらい状況を作ることができます。
診断系コンテンツを作成しておく
肯定しやすい質問と併せて診断系コンテンツも作成しておくと、ユーザーがアクションを起こす確率を高められます。
診断系コンテンツとは「あなたにあったダイエット診断」のように簡単な質問に答えると、ダイエット方法が提示されるコンテンツです。
このようなコンテンツを作成しておくと、先ほどの肯定しやすい質問と併せて一貫性が保たれるのでユーザーの行動を促しやすいでしょう。
お試し体験を成約前に挟む
ユーザーが問い合わせをし面談などを経由し、いよいよ成約直前になった際にはお試し体験を挟むようにすると成約率が高まります。
特に高付加価値の商品・サービスほど、BtoBでない限りいきなり成約はしないと考え、アクションするための敷居を低くするイメージを持つようにしてください。
たとえば、パーソナルジムの体験などが当てはまります。
一貫性の法則をWebマーケティングに応用するなら
今回の記事では一貫性の法則について解説してきました。
一貫性の法則は人の思考や言動を活用した心理トリガーです。
この心理トリガーを活用するためには、まず集客をしてから反応を見ることが大切です。
特に「広告集客」を活用することで、初めての知らない人に対しても心理効果があるかどうかを確かめることができます。
知らない人に効果があれば、SNSなどであなたのことを知っているフォロワーさんなどにはさらに効果的です。
そのため、まずは広告を活用して集客をしていくのも良いでしょう。
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