マズローの欲求は、アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人の欲求をピラミッドの形で5段層で表したものです。
ただ、元々は5段階層説として発表されていましたが、その後は6段階層説として説明されることが多くなってきています。
人の欲求を理解することが出来るようになると、マーケティングの分野でも相手に刺さる文章が書けるようになり、行動に移させる訴求が出来るようになります。
そこで今回の記事では、マズローの欲求5段階層説とWebマーケティングに活かす方法、更に一緒に使うと効果的な心理トリガーについて説明していきます。
目次(タップでジャンプ)
マズローの5階層欲求説とは
冒頭でもお伝えしたように、マズローの欲求は最初は5段階で説明されていました。
その内容が
- 生理的欲求(Physiological)
- 安全欲求(Safety)
- 社会的欲求(Social)
- 承認・尊重欲求(Approval)
- 自己実現欲求(Self-actualization)
この5つになりますが、1971年にマズロー自ら追加した6段階目の欲求が
- 自己超越欲求(Self-transcendent) です。
今はこの6つが『マズローの欲求』と説明されることが多いです。
マズローの欲求を階層ごとの説明
マズローの欲求は第1段階~5段階(6段階)まで順番に進んでいくといわれています。
「1段階を満たした人は2段階へ」「2段階を満たした人は3段階へ」このように、順に進んでいくといわれていますが、実際に自分に当てはめてみると、
「2段階を飛ばして4段階へ」「4段階を飛ばして5段階へ」このようなこともあり得るのが現実です。
一般的には1段階目から順番に進んでいくのだと理解しておいてください。
第1段階:生理的欲求(Physiological)
生理的欲求は、ピラミッドの最下層に位置し、人が生命を維持するための本能的な欲求です。
- 食欲
- 睡眠欲
- 性欲
この3大欲求はあなたも耳にしたことがあると思いますが、『お腹が空いたからご飯が食べたい』『喉が渇いたから水を飲みたい』『疲れたから寝たい』など、本能的な飢えを回避する欲求がこの生理的欲求です。
第2段階:安全欲求(Safety)
生理的欲求が満たされると、次に人は安全を求めます。
例えば、食欲を満たすことが出来たら、その「食を満たす環境」を失わないように食べ物を確保できる状態を作ろうとします。これが安全欲求です。
他にも、
- 安心して眠れる場所を確保したい
- 心安らげる場所無くしたくない
- 継続的に収入を得る仕事を継続したい
などが挙げられます。
安全欲求は、経済的な安定や健康・身体的安全など、自分の身の回りの(人、物、環境など)安全を確保したいという欲求です。
第3段階:社会的欲求(Social)
生理的欲求と安全欲求が満たされると、次は社会的欲求が現れます。
社会的欲求は「所属と愛の欲求」と言われることもあり、社会的欲求が満たされないと、人は孤独や社会的不安を感じやすいと言われています。
- 人から愛情を受けたい
- 孤独を避けたい
- 仲間として認められたい
このような、家族や組織・グループなど、集団に属して心が満たされた状態になりたいという欲求です。
第4段階:承認・尊重欲求(Approval)
承認欲求(尊重欲求)は、1~3の欲求とは違い、外的な要因が大きく絡んでくる欲求で、組織や他人に受け入れられ認められ、尊敬・尊重されたいという欲求です。
- 職場の上司から認められたい
- 尊敬する人から褒められたい
- 結果を出して名声を手に入れたい
- 自分の行動を肯定してほしい
「全ての悩みは対人関係の悩みである(アドラー心理学)」という名言がありますが、対人関係の悩みのほとんどは、この承認欲求(尊重欲求)によるものです。
第5段階:自己実現欲求(Self-actualization)
承認・尊重欲求がある程度満たされると、「自分はもっと出来る!自分のあるべき姿はこうじゃない!」と、自分の夢や目標・想いを実現することを求める自己実現欲求が現れます。
- 昔からの夢を実現したい
- 理想の自分になりたい
- もっと成長して○○(理想の未来)になりたい
他にも、独立してお金持ちになりたい、海外移住して好きな時に好きなことをする生活がしたい、好きなことを仕事にして自由気ままに暮らしたいなどの、自分が理想とする未来を求めるのはこの自己実現欲求が働いているからです。
第6段階:自己超越欲求(Self-transcendent desire)
マズローは5段階層欲求を発表した後に、この6段階目を発表しています。
それがこの、「自己超越欲求」という段階です。簡単に説明すると「無欲」の状態で、自分だけでなく他人も豊かにしたいという欲求です。
- 世界平和
- 貧困を無くす
- 国を良くしたい
- ボランティアで社会貢献したい
マドラーの欲求が発表された当時は、この領域に達している人は人口の2%程度しかいないと言われていました。
そんなことから、一般的にはマズローの欲求5段階層として広まったのではないでしょうか。
マズローの欲求をマーケティングへ活用
マーケティングの分野でもマズローの欲求5段階説が利用されることは多々あります。
それは、欲求をニーズ(需要)と言い換えることが出来るからです。
お客様が商品を購入するのには必ずニーズがあります。だからこそ、お客様のニーズ(欲求)が分かってくればビジネスが少し簡単になると思いませんか?
では実際にどういった場面で使用することが出来るのかを説明していきます。
ペルソナの設定に応用する
マーケティングで非常に重要な「ペルソナ」ですが、マズローの欲求5段階説を利用することが出来ます。
あなたが対象とする「ペルソナ」は5段階ある欲求のうち
- お客様は今どの階層に位置しているのか?
- 商品(サービス)を購入すると何の欲求(ニーズ)が満たされるのか?
お客様が求める欲求(ニーズ)を分析しておくことで、訴求するポイントや商品の伝え方を変えて、より効果的にアプローチすることが可能になります。
オンライン教材の販売に応用する
オンライン教材販売を販売する際に意識する欲求を参考例として書いてみました。
- 生理的欲求・・・期間限定で尚且つ低価格で今しか購入できない
- 安全欲求・・・サポートと購入者限定の専用サイトがあるから誰でも安心して取り組める
- 社会的欲求・・・1人で頑張るのではなく、一緒な志を持った仲間と学べるから前に進める
- 承認・尊重欲求・・・この能力(商品の内容)を身に付けると、今後○○コンサルタントとして活動できる
- 自己実現欲求・・・時間にもお金にも縛られない、自由な時間と環境が手に入れられる
仮にあなたが提供する商品(サービス)が、オンラインサロンなどのコミュニティであれば、社会的欲求を求めている顧客にアプローチをすると、成約率が高まると思いませんか?
このように文字に書き起こしてみるといかがでしょうか?5段階欲求ごとに、訴求するポイントが違ってきているのが分かるのではないでしょうか?
あなたの商品が、どの欲求に対して訴求できる商品なのかを明確にしてアプローチを行うと良いでしょう。
購買行動を後押しする心理トリガーを利用する
先ほども記載しましたが、お客様が商品を購入するのには必ずニーズ(欲求)があります。
お客様は、商品を購入(利用)することで、欲求を満たすことが出来ると思っているから商品やサービスを購入します。
しかし、初めて購入するの商品(サービス)は、『本当にこの商品で欲求が満たされるのか?本当に必要なのか?』と迷います。
そんなお客様に対して、購入への背中を押し、購買行動へ移してもらうために使用するのが「心理トリガー」です。
マズローの欲求5段階層説と一緒に、悪用厳禁な心理トリガーを学んで、更にマーケティング力を高めていきましょう。
マズローの欲求まとめ
- 生理的欲求(Physiological)…寝たい・食べたい
- 安全欲求(Safety)…安心・安全な暮らしや環境を守りたい
- 社会的欲求(Social)…組織に属し仲間と認められたい
- 承認・尊重欲求(Approval)…褒められたい・尊敬されたい
- 自己実現欲求(Self-actualization)…理想を実現させたい
- 自己超越欲求(Self-transcendent)…他人も豊かにしたい
マズローの欲求は、人の欲求を段階的に表した心理学の言葉ですが、マーケティングの分野でも非常に重要な部分です。
お客様の欲求(ニーズ)が何なのか?
自分の商品がどの欲求を解決することが出来るのか?
をしっかり理解することで、より効率的なマーケティングを行うことが出来るようになるはずです。
是非、マズローの欲求と心理トリガーを使ってお客様の背中を押してあげて下さい。
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