家族経営の経理は社長が行うべきなのか、それとも誰かに任せるべきなのか、と迷っている方も多いはずです。
結論から伝えると、中小零細企業の多い家族経営の会社では、できるだけ社長自らが経理を行い経営判断をしましょう。
本記事では、その理由や考え方などを詳しく解説していきます。
- >>家族経営の経理は誰が適任か知りたい方
家族経営の経理を社長自ら行う理由へ - >>家族経営の経理を社長以外が担当する時の懸念事項について知りたい方
家族経営で経理を社長以外が行うと起こることへ - >>家族経営の経理を担当しない方が良い人の特徴について知りたい方
家族経営の経理をするのに向いていない社長の特徴例へ
目次(タップでジャンプ)
家族経営の経理を社長自ら行う理由
家族経営の経理を社長自ら行う理由として、
- 会社の経営判断をするのは社長だから
- 数字から会社の状況をすぐに判断できるから
- 不必要な経費や不正を見つけられるから
ここでの「経理」という言葉は、記帳をすることではなく、記帳された情報を活用して経営判断を行うことを指します。
それぞれの理由を詳しく解説します。
理由1.会社の経営判断をするのは社長だから
家族経営に限らず会社の経営判断は社長自らが行わなければならないため、経理も自身で行う必要があります。
会社の経営状態をリアルタイムで計測できる情報は経理の情報であり、売上・利益や財務状況も一目で確認できます。
反対に会社の状態が何も分からない状態であれば、適切な経営判断はできません。
このように家族経営に多い小規模事業者ほど経営判断を行うために、社長が経理を行うように心がけましょう。
理由2.数字から会社の状況をすぐに判断できるから
数字から会社の状況をすぐに判断できるのも、社長が自ら経理を行う理由です。
先ほどもお伝えしたように、売上・利益や財務状況を一目で確認できるのが経理だと考えてください。
たとえば、先月よりも売上が高いのに利益が少ないとなれば、どこかで経費が掛かっていることがすぐに分かります。
ここで、今後利益率が改善される見込みがあれば、今の業務を続ける判断ができますし、見込みがなければ業務を止める判断ができるはずです。
このように簡単な数字を押さえておくだけで、会社の状況を把握し経営判断を瞬時に行えるようになります。
理由3.不必要な経費や不正を見つけられるから
会社の状況をリアルタイムで把握することで、不必要な経費や不正を見つけられるようになります。
先月よりも売上が高いのに利益が少ないという事例から、帳簿を確認してみると固定費とは別の経費や不必要な経費が見つかったとすると、次のような分析ができるはずです。
- 現場でどんぶり勘定があり経費を余計に使っている(不必要な経費)
- 誰かが経費を水増し請求している恐れがある(不正)
もちろん、その他の要因もありますが、調べてみると経費が余計に使われていたり、不正が発生していたりなどはどのような会社規模でも起こり得ます。
このような事態を未然に防ぐためにも、社長自らが経理を把握し、細かいところまでチェックをしましょう。
上記のように、社長自ら経理処理を行うことによるメリットは大きいので、少しずつでも自信で把握できるようにしていきましょう。
また家族経営による他のメリットやデメリットはこちらの記事で紹介しています。
家族経営で経理を社長以外が行うと起こること
家族経営で経理を社長以外が行うと起こることの一例は以下のとおりです。
- 放漫経営になる
- 会社の状況が分からず、適切なアクションが取れない
- 必要な経費を適切なタイミングで活用できなくなる
家族経営の会社は社長の力量で経営が左右されます。
仮に経理が分からず、適切な経営判断ができなければ、事業が傾く恐れもあると考えてください。
放漫経営になる
放漫経営になることは経理を社長が分かっていないときに良く起こることです。
というのも、適切な予算配分や経費の使い道が分からず大事な資金を上手く活用できなくなるからです。
たとえば、もう少し予算を増やせば売上アップに繋がるのに、会社の資金状態が分からず、逆に予算を絞ってしまったとしたらどうでしょうか。
このように社長が経理を分かっていなければ、重要な場面で資金が活用できずに現状維持がやっとという状態になります。
会社の状況が分からず、適切なアクションが取れない
会社の状況が分からず適切なアクションが取れないことも考えられます。
会社の財務状況が分からなければ、補助金・助成金の活用や借り入れのタイミングを見失ってしまいます。
仮に運転資金が3ヶ月後にショートしてしまうのなら、すぐにでも銀行などに融資の相談をしなければなりません。
それにもかかわらず、会社の状況が分かっていなかったことから、1ヶ月前になってようやく現金が足りない事実に気付いたとしたらどうでしょうか。
借り入れや融資には事業計画の作成や面談などが含まれるため、1ヶ月では到底準備できません。
このように会社の状況が分かっていないと、事前の準備がほとんどできない恐れがあると考えてください。
適切なアクションが取れない場合にどうなるかなど、こちらの記事でも詳しく解説しています。
必要な経費を適切なタイミングで活用できなくなる
必要な経費を適切なタイミングで活用できなくなることも、社長が経理を理解できていないと起こることです。
多くの家族経営の会社のような小さな組織は、トップが経費の使い道を決めるため、不必要な経費削減が行われることもあります。
ほとんどありえませんが、売上・利益の状態が分かっていない経営状態を想定してみると次のようなことが起きます。
- 広告費を掛けるべきなのに、恐怖心から広告費を絞る
- 人件費を拡大すべきなのに、利益が残りそうにないからと予算を絞る
- 人手不足が懸念されるのに、採用活動をしない
このように企業として売上アップに必須な行動も経理が分かっていない状態だと、必要な経費を適切なタイミングで活用できなくなることも多いです。
必要以上に固定費を増やす必要はありませんが、適切なタイミングを見誤らないように把握しておく必要があります。
家族経営の経理をするのに向いていない社長の特徴
家族経営の経理をするのに向いていない社長の特徴の一例は次のとおりです。
- 経理の数字の見方が分かっていない
- 思考停止になってしまっている
- 自身で不必要な経費を使ってしまっている社長
これらの特徴に1つでも当てはまったら、すぐに改善を行わなければなりません。
それぞれ改善方法も併せて解説します。
経理の数字の見方が分かっていない
経理の数字の見方が分かっていない社長は、必ず基本知識を身につけてください。
基本知識もなく経理情報を見ても、何が正しく、何が間違っているかを判断できません。
「経理は難しい」と考えるのではなく、売上高から経費を差し引けば利益が計算できるといった簡単な計算ができれば良いだけです。
このような知識は簿記3級レベルの参考書を1週間ほど読めば、誰でも簡単に理解できることなので、すぐに取り組みましょう。
社長の仕事は経営判断をすることなので、記帳をするのではなく数字を見て判断できれば良いと割り切ってください。
思考停止になってしまっている
数字の見方が分かっていたとしても、思考停止になっていれば情報を見ても正しい判断はできません。
経営を行っていく上では常に考え行動に移すことが大切です。
たとえば、数字を見て来月には利益を5%伸ばさなければならないと判断できたとすると、次のような対策が思いつくはずです。
- 営業を強化し案件を増やす
- 人件費を削減し経費を減らす
- 既存顧客に新しい仕事がないかを確認する
これらの行動を瞬時に行うことが社長の仕事となります。
そのため、思考停止になるのではなく、数字を見て判断できたのならすぐに行動に移すようにしてください。
自身で不必要な経費を使ってしまっている社長
自身で不必要な経費を使ってしまっている社長は今すぐ止めましょう。
特に思考停止になりながら経費を使っている社長は、事業を破綻させる恐れが非常に高いです。
経費は事業のために活用する資金であり、自身のために使用する資金ではありません。
もし、自身のための不必要な経費を使っているのなら、ビジネスマインドや経営者マインドを見つめ直すところからスタートしてください。
家族経営の経理まとめ
今回の記事では家族経営の経理を解説しました。
家族経営の経理は社長が行うべきものであり、誰かに依存する仕事ではありません。
もちろん記帳代行などを活用することは時間短縮のために必要ですが、経理情報から経営判断することは社長の仕事です。
もし家族経営の経理ができるようになったら、次は売上アップのためのWebマーケティング施策を行うことをおすすめします。
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