「ツァイガルニク効果とはどんな効果なのか気になる」という方も多いでしょう。
ツァイガルニク効果は心理学用語であり、昨今ではWebマーケティングの中でも多くの場所で活用されています。
当記事ではツァイガルニク効果とは何かを確認しながら、Webマーケティングでの使い方を解説します。
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目次(タップでジャンプ)
ツァイガルニク効果とは意識を集中させる心理トリガー
ツァイガルニク効果とは、端的に伝えると意識を集中させる心理トリガーです。
ツァイガルニック効果やゼイガルニック効果とも呼ばれ、「終えてしまったことよりも、途中だったり挫折してしまったりしたことのほうが記憶に残りやすい心理現象」です。
「あ、そういえば…なんでもないや」と友人から言われた際に、「気になるから教えて」とつい言ってしまう心理状態に近いと考えておきましょう。
この項目ではツァイガルニク効果を深掘りするために、次のように解説を展開します。
- ツァイガルニク効果の由来
- ツァイガルニク効果が人に及ぼす影響
ツァイガルニク効果の由来
ツァイガルニク効果の名称が名付けられてまだ100年程度と新しく、旧ソビエトのゼイガルニクが提唱しました。
明確な言葉の定義は「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」とされ、冒頭でお伝えした説明のとおりです。
ツァイガルニク効果が人に及ぼす影響
ツァイガルニク効果の定義を言葉を選ばずに簡単にすると「中途半端なものほど人々の興味を引く」です。
この興味を引く心理トリガーには「心理的リアクタンス」が密接に関わっています。
ツァイガルニク効果を深く知るためには、心理的リアクタンスを知る必要があるので以下で解説します。
心理的リアクタンスとは
心理的リアクタンスとは、他人から行動を制限・禁止されるほど、反発してやりたい欲求が高まる心理トリガーです。
後ほど解説するカリギュラ効果のベースになっている心の動きでもあります。
たとえば、次のような日常の場面でも心理的リアクタンスが高まります。
- 遊びに行く前に課題を済ませることを親から強制される(遊びの禁止)
- 学校にスマホを持ち込んではいけないと言われる
- 就業規則で副業が禁止されている
このように禁止や制限を受けて、反発心が芽生え、余計に禁止・制限されていることをしたくなるのが心理的リアクタンスが高まっている証拠です。
ツァイガルニク効果で心理的リアクタンスが高まる要因
ツァイガルニク効果では、途中で終わったことや挫折したことなどで、行動を制限されるのが心理的リアクタンスを高める要因になります。
たとえば次のような状態がツァイガルニク効果による心理的リアクタンスの高まり方です。
- 友達から話の途中で「やっぱいいや」と言われる
- クレーム対応が就業間近になって来週に持ち越しになったとき
- 問題を制限時間内に解けずに、どう解いたら良かったかが気になってしまう
このように言葉を選ばずに言うと、中途半端感がある物事が起こるとツァイガルニク効果によって心理的リアクタンスが高まります。
ここまで悪い方向に意識を向けてしまう事例を解説しましたが、ツァイガルニク効果を活用するとWebマーケティングで人の注意を引く施策ができるため、悪いことばかりではないと考えてください。
ツァイガルニク効果は続きを読ませるのに効果的
ツァイガルニク効果をWebマーケティング上で良い方向に活用すると、セールスレターやLPの続きを見込みのお客様に読んでもらえる確率が高まります。
というのも、ツァイガルニク効果で「続きが分からない」という心理的リアクタンスが高まり、「続きが読みたい」という反発心が生まれるからです。
たとえば、セールレターの有名なキャッチコピーである次の文章を見るとツァイガルニク効果による心理的リアクタンスの高まりが分かるでしょう。
ジョン・ケープルズの有名なヘッドコピー「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると…」
上記のヘッドコピー(キャッチコピー)は「U.S.音楽スクール」の受講を販売した有名な一節です。
この文章を見ると、少しだけ続きが気になって「続きを読もう」という気持ちが出てきます。
彼が書いたようなセールスレターの効果的な書き方は以下の記事でまとめているので、気になる方は見てみると良いでしょう。
ツァイガルニク効果の使い方
ツァイガルニク効果をWebマーケティング上で使う方法は以下のとおりです。
- 全体のストーリーを考える
- ストーリーの中核部分を抜き出す
- 起承転まで考え一文にする
ツァイガルニク効果を活用すると続きを読みたくなる心理状態になるので、セールスレターやLPなどの媒体に利用するのが効果的です。
ジョン・ケープルズの有名なヘッドコピーを題材に解説します。
ツァイガルニク効果の使い方①全体のストーリー構成を考える
ツァイガルニク効果を効果的に活用するなら全体のストーリー構成を考えるところからスタートします。
ヘッドコピーをお客様の目を引くものにしても、文章全体の関連性がなければ意味はありません。
ジョン・ケープルズのヘッドコピーは最終的に「音楽教室の販売をする」ことだったので、紹介されているコピー内容に最終決定されたのでしょう。
このようにヘッドコピーはお客様の目を引くだけでなく、LPやセールスレター全体の構成から考える必要があります。
全体構成の考え方は以下の記事に書かれているので参考にしてみてください。
ツァイガルニク効果の使い方②ストーリーの中核部分を抜き出す
ストーリの中核部分(セールスポイント)を抜き出すことで、ヘッドコピーのヒントが生まれてきます。
お客様にセールスレターやLPのどのポイントで「あっ」と思ってほしいのかを考えると、ヘッドコピーで訴求すべき点が分かるはずです。
ジョン・ケープルズの音楽教室の講座販売をするメインのセールスポイントは「ピアノなどの演奏が人からうまく思われるようになる」点です。
となると、「最初は笑っていたけど、演奏が始まった瞬間に何かが起こった(ここでは良いことが起こったと期待できるような書き方になっています)」というヘッドコピーで訴求すべき点が明確になります。
ツァイガルニク効果の使い方③起承転まで考え一文にする
ヘッドコピーの輪郭がぼんやりとでも固まったら、起承転結の「起承転」まで考え一文にしていきます。
ツァイガルニク効果を使うには、結論部分を「ぼかす」ことが有効です。
結論の部分はセールスレターやLPを作成する際に商品・サービスのメリット部分で伝えるようにしましょう。
もちろんジョン・ケープルズのセールスレターはヘッドコピーの伏線がストーリー内で確実に回収されています。(引けないと思われていた主人公が、ピアノ演奏で拍手喝采を得てスクール名がそこにでてきます)
このように結論部分から逆算してヘッドコピーを考えると、お客様の反応を得られる一文が考えられるでしょう。
ツァイガルニク効果のメリット
ツァイガルニク効果を活用するWebマーケティング上でのメリットは以下のとおりです。
- セールスレターのキャッチコピーが作れる
- キャッチコピーからリード部分への離脱を防げる
- ストーリーテリングでユーザーの心を刺激できる
それぞれ解説します。
セールスレターのキャッチコピーが簡単に作れる
ツァイガルニク効果を活用すると効果的なキャッチコピー(ヘッドコピー)が作れます。
効果が立証されているテクニックなので、型を覚えて活用するとすぐにでも反応が得られるはずです。
ただ、訴求のポイントがズレていることもあるので、いくつかの(キャッチコピー)を用意してテストすることは重要です。
キャッチコピーからリード部分への離脱を防げる
キャッチコピーからリード文章(キャッチコピーの次の文章)へ目を移すお客様の数を増やせるのもメリットです。
何のテクニックも知らずに目を引くであろうと考えるコピーだと、反対に離脱数が増えて原因の特定にもつながりません。
ネットユーザーは一目見ただけで、興味があるか・ないかを判断する傾向が強いので、キャッチコピーの作成を誤ると効果的なセールスレターやLPの作成はできないでしょう。
ストーリーテリングでユーザーの心を刺激できる
ツァイガルニク効果を使ったキャッチコピーは、その後にストーリーテリングを展開する導線としても有効です。
ストーリーテリングとは反応を得られるセールスレターの書き方であり、型が決まっています。
ツァイガルニク効果とストーリーテリングを使った導線は次のとおりです。
- ツァイガルニク効果でキャッチコピーからリード文に目線を移してもらう
- リード文からストーリーテリングを使いお客様を物語に引き込む
- ストーリーテリングの中に商品・サービスの紹介を挟む
このようにユーザーの心を掴むセールスレターの型であるストーリーテリングと相性が良いのもメリットです。
ツァイガルニク効果に関連する心理トリガー
ツァイガルニク効果に関連する心理トリガーは以下のとおりです。
- ハロー効果は権威性の確立に役立つ
- カリギュラ効果でユーザー行動を促そう
それぞれの効果を知って効果的な活用をしましょう。
ハロー効果は権威性の確立に役立つ
ハロー効果は後光効果とも呼ばれ、ある優れた点を示すと他の点も優れているとお客様が思い込む心理トリガーです。
このトリガーを活用すると権威性が高まり、お客様が購入する後押しをできるようになります。
たとえば、医師資格を持っていると「なんだかすごい人なのだろう」と思うこともハロー効果の一種です。
もちろん、お客様が信頼してくれる以上、求められる水準以上の商品・サービスを提供しなければならない点には注意してください。
カリギュラ効果でユーザー行動を促そう
カリギュラ効果はツァイガルニク効果と同様に心理リアクタンスを高めて行動を促す心理トリガーです。
ツァイガルニク効果は物事を「中途半端」にすることで心理リアクタンスを高め、カリギュラ効果は禁止・制限を明確にすることで心理リアクタンスを高めます。
具体的な例は、「課題をしてから遊びに行きなさい」という親御様からお子さんへの言葉です。
このように禁止や制限をすることで、ツァイガルニク効果と同様の効果を期待できます。
カリギュラ効果に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
ツァイガルニク効果はWebマーケティングの心強いテクニック!
今回の記事ではツァイガルニク効果を解説しました。
ツァイガルニク効果の発祥は心理学であり、当時マーケティングに利用できるとは考えられていなかったはずです。
しかし、セールスレターやLPのヘッドコピーに活用して読了率を上げる施策に最適な心理トリガーです。
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